/
/ / / /
/

DOUBLE 10周年スペシャルインタビュー集「Who's R&B?」

第一回 トップ・ヘアメイクアーティスト 小野明美

DOUBLEのデビュー10周年を記念して、ジャパニーズR&Bシーンに欠かせない存在になっている人達に話しを聞こうという スペシャル企画。第一弾は長年彼女のヘア・メイクを担当し、いまや多くのジャパニーズR&Bシンガーのヘア・メイクも手掛けているトップ・ヘア・メイク・アーティスト、小野明美氏。 “DOUBLE”を完成させるために試行錯誤しながらメイクを考えていった話から、DOUBLEの登場によって業界全体に与えた影響など、興味深い話をたくさん聞くことが出来た。なぜDOUBLEが10年間、日本のR&Bシーンのトップに君臨し続けているか、その理由が小野氏の話からもわかるだろう。

text by 川口真紀

―― 小野さんが初めてTAKAKOさんに会ったのはいつですか?

“Shake”のPV撮影の時かな。だから99年からの付き合いになりますね

―― 会ってみての印象は?

「若くて可愛くて、ちょっと小生意気な(笑)女の子でしたね。今よりも全然「頑張るぞ!」みたいなやる気に満ち溢れていたし(笑)。けど今もそうだけど、普段のTAKAちゃんは“DOUBLEのTAKAKO”とは違うんですよ。一般的にはDOUBLE=クールっていうイメージが強いのかもしれないけど、普段はキュートですごく面白い女の子なんです。なんて言ったらファンのイメージを崩しちゃうかな?(笑)

―― 当時、TAKAKOさんにはどのようなメイクをしようと思っていましたか?

R&Bアーティスト自体が日本にはまったくいなかったし、私もまったく知らない世界だったから、最初は本当に試行錯誤でした。TAKAちゃんは当初からブラック系のヴィジュアルを求めていたし、向こうの雑誌を持ってきて「こういう感じで」って具体的にリクエストすることも多くて。ハッキリしたヴィジョンが当時からあったんですよね。けど私は日本人でブラック系のメイクは絶対無理!と思っていたし、コギャル系でもブラパン系(笑)でもないしと色々悩んで。だから私も付け焼刃的に勉強して、TAKAちゃんが求めるものに応えていったつもりです。私的にも初めての試みだったから、TAKAちゃんと一緒に試行錯誤しながら今に辿りついたって感じですね

―― 試行錯誤していたDOUBLEのメイクが確立されたのはいつ頃ですか?

『Vision』くらいからかな。だからここ5,6年。最初は私もTAKAちゃんも黒人に近づけようっていう思いがあったけど、その頃から黒人云々を意識せずに、完全にTAKAちゃん流のメイクが確立されたと思います。だから今はDOUBLEのTAKAちゃんは、DOUBLEのTAKAちゃん、そのもの。誰もTAKAちゃんを見て“黒人風メイク”なんて言わないと思いますしね

―― TAKAKOさんの登場によって、メイクの面で他アーティストに与えた影響はありますか?

すごくあると思います。色んなアーティストのメイクをするけど、『DOUBLEみたいにしてほしい』とか『“Rock The Party”みたいな頭にしたい』とか言われますしね。アーティストにとってもTAKAちゃんはアイコンになってると思います。それは私にとってもすごくありがたいし、誇りに思いますけどね

―― 以前、TAKAKOさんから「小野さんのメイクは落ちない」と聞いたことがあるのですが……。

よく「小野さんのメイクはライヴの時も落ちないし、PV撮りの時も撮影が終わるまで落ちない」って言ってくれるんですけど、そのために地肌作りをしっかりやってるんですね。メイクが濃くなりすぎないためにも、ベース・メイクはすごく重要なんです。けどベース・メイクをしっかりやるのには、すごく時間がかかるんですよ。だからTAKAちゃんのメイクはトータル2〜3時間はかかるんです。今ではTAKAちゃんに限らず、女性アーティストのヘア・メイクには2〜3時間見ておくっていうのが業界の通例になったけど、昔は誰か決めたのか知らないけれど、1時間っていうのが通例でしたからね

―― その通例を覆したのがTAKAKOさんだったと。

そう。ヘア・メイクって早ければ早いほどいいって思ってる人が多いんですよ。ところがさっきも話した通り、ベーク・メイクや立体感を出す顔作りって、最低でも2時間はかかるんですね。最初の頃は「まだですか」とか言われて、「まだに決まってるじゃない!」とか言ってて(笑)。それから「小野さんは2時間はかかるから、3時間みておきましょう」っていうのが当たり前になってきたんです。だから最初にそれを受け入れてくれたDOUBLEのディレクターさんには感謝してますね。スタッフの理解と寛大な心があって、TAKAちゃんのヴィジュアルがあるっていう感じです(笑)

―― 印象に残っているTAKAKOさんとのエピソードがあったら教えてください。

“Summer Time”のPV撮りの時、朝3時(!)に集合してメイクをしたんですよ。メイクしてから横須賀に行ってPVを撮って終わったのがちょうど24時間後くらい。そこからアルバム『Reflex』のジャケット撮影をするって言い出して。しかもシャワー・シーンを撮りたいと。24時間ずっとメイクしっぱなしで、メイク直しの時間もほとんどなくて、それで別の撮影をするなんて、そんなのありえない!って言ったんですね。水を被せるならそれ用のメイクをしたいし、全部お化粧を落としてメイクをし直してから撮影して欲しいって言ったんだけど、時間もないから一発撮りでいきましょうってなって。私、ふてくされて好きにしてくださいって言って寝てたんですよ。そしたら今までにないくらいいい写真が撮れましたって(笑)。TAKAちゃんにも「だから小野さんのメイクは落ちないから大丈夫だって言ったじゃない」って言われて。まぁ、私のメイクが落ちなかったっていう自慢なんですけど(笑)

―― 約10年間、TAKAKOさんを身近で見てきて、DOUBLEとはどんなアーティストだと思っていますか?

芯が強くて、ブレることが一切ないアーティストですよね。自分のヴィジョンを決めて、そこに向かって進んでいく集中力はすごく素晴らしいと思います。TAKAちゃんがDOUBLEをプロデュースしてるんですよね。私達はそれに引きずられているだけの、ただのサポーターなんです

―― だからこそ、10年間日本のR&Bシーンのトップに君臨し続けていると。

そうだと思います。ヴィジョンがちゃんと確立されているからブレないし、売れたいからといって媚びたりすることも一切ないし。例えば海外で撮影することも多いけど、TAKAちゃんは外人のカメラマンに向かってもきちんと自分の意見を言うし、PV撮影の時も、TAKAちゃんが意見を言うことによって撮影が一時間延びようとも、違うと思ったら違うとちゃんと言うんですよ。その意思の強さは本当にすごいと思う。なかなかそういうアーティストは他にいないんじゃないかな

―― 今後TAKAKOさんにはどんなR&Bアーティストになって欲しいですか?

このまま自分のヴィジョンを貫き通して欲しいです。カッコイイ大人を貫いて欲しいですね。常々思ってるんだけど、日本って子供文化でしょ。テレビをつけても子供っぽいものしか流れないし。だからTAKAちゃんが筆頭になって大人の文化を引っ張っていって欲しい。今まで日本のR&Bシーンを牽引してきたけど、これからはR&Bに限らず、カッコイイ大人の女性代表として、大人文化を牽引していく存在になって欲しいですね

もどる

/
/ /
/ / / /
/
ページ先頭へ戻る FOR LIFE MUSIC ENTERTAINMENT のホームページへ
DOUBLE10YEARS.COM